彫刻家・建畠覚造さん 4

建畠さんからの依頼で製作請負をすることは、私にとり大きな意味がある。それは、彼の思考技術に適うということだ。すべてを任せてくれるのだから、相当の信頼がない限り任せてはもらえない。彫刻に対する哲学、思考技術が記憶の様に移植されて初めて適うことだと考えた。作品の仕上がりが私に委ねられてはいるが、建畠彫刻以上以下であってはならない。そのことを考えながら、仕事に取り掛かる時、時間や空間を超え、年齢差も超えた何かが私の中に宿る。おそらく建畠さんは、彫刻を通じて仲間を探していたんだろうと思った。その期待に応えるに十分な体力と知力、建畠さんを安心させる共振力が必要なのだ。私は常々このような体験をすることが多い。デザイナーや建築家、哲学者、文学者、企業の経営者などが、共振者としての私に多くの期待寄せてくれる。それを「記憶の移植」としてとらえるときに、語らされる何かが私からの回答書として彼らの眼前に現れるわけだ。それが言説となる時に良し悪しや正しさが問われはするが、実行された事物は断罪できないことを皆は知っている。その理由は、人知の脳力をはるかに超えた「真理の追究」という永遠の課題をかかえているからだ。

建畠さんには多くのことを体験させてもらい、それが私の中に「記憶の移植」として残ることに感謝しなければならない。

今は亡き建畠覚造さんに「また一緒に遊びましょう」と。

恐惶謹言

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